「住まいと耐震工法研究会」
住まい恋う
さかぐちりえ
-
人はなぜ「家」に住まうのか? 「家」とは何か?
生まれてからずっと借家住まいだった私は、40歳にしてようやく購入したマイホームの住宅ローンや、すでに他界した両親が晩年に建てたもののほとんど住まないまま遺していった実家を抱え、日々自問している。
そんな私がこれまでの住まい歴を振り返って思うのは、「家」とは故郷であり、人間形成になくてはならない場所であるということ。そして私にとって、その故郷と呼べる「家」とは、自身が幼少から思春期にかけて家族とともに暮らした、あの文化住宅だ。
当時の暮らしを振り返りつつ、また今の住宅と比べつつ、文化住宅がもたらしたものは、そして改めて「家」とは何かを問いかける。
-
※当コラムは住宅業界関係者向け専門紙「新建ハウジング」(長野県長野市)に2012~2013年に計10回連載したものを再編集し、新たなエピソードを加えてお届けします。
CONTENTS(予定)
【3】 宝探しの楽しみ
【4】 棺桶の通り道
【5】 雰囲気の個室
【6】 すだれで防犯
【7】 ふたつの正月
【8】 学びの浴室
【9】 夏の雨乞い
【10】 春のかいだん