「住まいと耐震工法研究会」
耐震・防災・談話室
河村 廣
(梗概)
近年我が国で発生する大地震については「想定外」が常套句になっています。計測技術や解析技術は格段の進歩を遂げていますが、近代地震学は基本的には過去および現在を詳らかにすることは出来ても、近未来については「一寸先は闇」のようです。何ごとも接近し過ぎると却って実相が見えにくくなることもありますので、本談話室では地震現象を全体像から捉え得られた知見を参考に、建物や街の耐震や防災問題について改めて考えてみたいと思います。
CONTENTS
・ 地震現象マクロスケッチⅠ(確率と再来周期)
・ 地震現象マクロスケッチⅡ(べき乗則と破壊過程)
・ 地震現象マクロスケッチⅢ(べき乗則と震災過程)
・ 耐震・防災における数値的曖昧性
・ 崩壊からみた建物
・ 地震災害への公的応急対応
・ 地震エントロピー仮説
・ 地震フラクタル仮説
・ 地震フラクタル・エントロピー仮説再考
・ 耐震構造設計と虚実皮膜論
・ 活断層、一寸先は仄かな暗闇
・ 地震動の確率予測(J-SHIS及びべき乗則によるハザードカーブの比較)
・ 地震動におけるべき乗則の検証(気象庁公表の震度別地震回数分布の活用)
・ パンデミック感染死者数の統計分布
・ 極限耐震設計における政治・経済・技術・科学の役割
・ 世界大戦における犠牲者のべき乗分布